
第5期能代市障がい福祉計画において令和2年度の事業見込量を排泄管理支援用具については2050件、その他の支援用具については概ね2〜12件の範囲で想定されています。これら用具等の対象種目については能代市日常生活用具給付等事業実施要綱によるものであり、市の裁量で決められるのであります。当事業の目的を維持達成するには、常に利用者のニーズ把握と先端技術にアンテナを張っていく必要がありますが、どのようにして用具の給付対象種目を設定し、見直しを図られているのかお聞かせください。
続いて暗所視支援眼鏡を給付種目とするお考えはないかお聞きいたします。
視覚障がい者の中には強度の夜盲症や視野狭窄で日常生活に支障をきたしている方もおりますが、8,000人に1人程度の割合で発症する網膜色素変性症もそのひとつであります。この目の病気は網膜にある光を感じる機能が徐々に失われ、視野狭窄を伴って失明に至るという現在治療法の確立されていない難病指定の疾患であります。このような夜盲等で困っている患者の視覚補助を目的に、九州大学と民間企業により共同開発したものが暗所視支援眼鏡であります。この眼鏡はサングラス状の形をしており、中央に広角レンズが設置され、使用者はカラーで広角の映像を見ることができます。眼鏡には有線でリモコンが付属し、明るさや映像の拡大縮小も可能で自分の症状にあった調節が可能となっています。
九州大学病院に通う患者28名に被験者として屋内暗所歩行のテストを実施したところ、暗所での視力向上や、障害物との接触回数の減少、歩行時間の短縮など有用性が認められたため2018年より市販が開始されております。これら検証結果や多くのモニターからの反響、団体等からの要望もあり、既に日常生活用具として認定または予定している自治体には、熊本県天草市、大分県宇佐市、東京都北区、千葉県千葉市、北海道旭川市など全国14自治体にのぼります。また開発側も想定していなかったユーザーの声として、災害時の行動にも役立てられる、コロナ禍において同行援護ガイドなしに移動できるなど時代に即した側面も持ち合わせていることがわかってきました。つきましては、当事業の目的に合致している暗所視支援眼鏡を日常生活用具の対象に追加するお考えはないかお尋ねいたします。

給付種目の対象範囲については、平成18年の事業開始以前に国から示されていた基準を準用し、市で要綱を定め運用しております。
見直しについては、ニーズ把握のための調査はしておりませんが、利用者等からの要望や意見があれば、用具の要件、用途及び形状の規定に該当するかどうかについて検討することとなります。
次に、暗所視支援眼鏡を給付種目とする考えは、についてでありますが、本市においては、視覚障害者のうち網膜色素変性症の方は令和元年度末で19人おります。現在、暗所視支援眼鏡については、給付種目として追加してほしいとの要望はありませんが、網膜色素変性症の方の日常生活や社会参加に役立つものと考えられることから、前向きに検討してまいります。