能代市議会一般質問 > 2019年 > 12月定例会

台風19号接近時における自主避難所の取り扱いにつ いて

※下記のやりとりは議事録から抜粋したものであり議会の公式記録ではありません。

はじめに『台風19号接近時における自主避難所の取扱について』お伺いいたします。
戦後最大の勢力と言われた今年10月12日に上陸した台風19号でありましたが、全国各地に甚大な被害をもたらしております。内閣府政策統括官防災担当による公開資料によりますと、その被害は死者98名、行方不明者3名、住家全壊2806棟、床上浸水18702棟、その他各地で停電、断水、堤防決壊、地域の孤立のほか、通信障害、交通機関への影響など同時多発的に発生し大きな混乱を招きました。本市においては予測された台風の進路が東側に反れたため幸いにも影響を最小限に抑えられたところであります。また市ではその後、4日を待たずに台風の被害を受けた長野県佐久市および宮城県角田市への職員派遣を決めたほか、福島県いわき市へは水道事業の職員を派遣するなど、迅速な対応に評価の声も多く聞かれます。
一方、本市の台風への対応おいて自主避難所のあり方に対し気になる点がございました。本市への被害は少なかったものの生命財産を守る最たる目的の履行にあたり、避難所運営については、決しておろそか出来ないものであるため、改めて問い質すものであります。
まず避難所の種類についてでありますが、市が法律に基づき避難準備情報や避難勧告、避難指示を行う際に開設する『指定避難所』と、洪水や土砂災害などの切迫した災害の危険から逃れるため緊急に開設する『指定緊急避難場所』がございます。そのほか、市に台風が接近する恐れのある場合や長時間の雨の影響で災害の発生が懸念される場合など、状況を考慮したうえで一時的に開設する『自主避難所』があります。自主避難所の開設においては、自治体の判断によるものや、自治会や自主防災組織などに鍵を預け主体的な避難を可能とする自治体など全国では様々な運用の仕方があるようであります。
本市においては行政の判断による開設を基本としておりますが、あらためて10月12日の状況を振り返ります。
12日 14:40 暴風警報が発令、
   18:50 災害対策連絡部設置 部長は総務部長でありました
   20:40 自主避難所開設、地域センター等市内6箇所および伝承ホールにおいて〜
翌13日 2:05 大雨警報および洪水警報発令
この際、自主避難者は扇淵地域センター1名、向能代〜5名となり、それぞれ台風進路の安全を確認後、13日の深夜に帰宅したと報告を受けております。また各自主避難所は13日、7:51をもって閉鎖とのことでありました。
当日の一連の流れを振り返りましたが、まずは自主避難所の開所時間のあり方についてお尋ねいたします。本市の自主避難所の開設は20:40でしたが、他の多くの自治体では夜間避難の危険をさけるため入所時刻の門限を17時〜18時程度に設定しております。なお12日の日没時間は17:05でありました。参考まで県内他の地域での自主避難所開設時刻は、横手市で14時、仙北市および男鹿市が15時、北秋田市17時となっており、日が明るいうちの時間帯での開設となっております。つきましては本市の自主避難所が日没前に開設できなかったのはなぜかお伺いいたします。

つぎに自主避難所開設時の周知方法についてでありますが、この度の開設時には、登録済みのメールアドレスに配信される能代市防災メールによる配信のほか、ラジオやテレビのテロップによる周知がなされました。防災行政無線による周知はなかったようでありますが、日中の早い段階からの備えや開設の周知が必要だったのではないでしょうか?防災行政無線を利用しなかった理由についてお伺いいたします。

つぎに自主避難所開設前後に、自主防災組織や周辺自治会への情報共有など何らかの連携はとられていたのかお伺いいたします。

最後に当台風を教訓に自主避難所の開設や周知など運用の見直しが必要ではないか、お聞きいたします。以上、4点についてご答弁をお願いいたします。

佐藤議員のご質問にお答えいたします。
初めに、台風19号接近時における自主避難所の取り扱いにつ
いてのうち、日没前に開設できなかったのはなぜか、についてで
ありますが、自主避難所は、災害対策基本法に基づき開設する指
定避難所とは異なり、台風が上陸、接近する恐れがある場合等で
、市民の皆様の問い合わせ状況を考慮したうえ、事前に避難を希
望される方を対象に一時的に開設いたします。
台風第19号では、事前の気象情報で能代市を通過する可能性
が低く、河川の洪水に関する情報や自主避難所への避難の希望等
が無かったことから、当初の段階では自主避難所を開設いたしま
せんでした。
しかし、夕方以降、台風が接近した地域で大きな被害が発生し
ているとの報道や県内他市において自主避難所が開設されたとの
情報により、不安を感じた市民からの問い合わせが想定されたこ
とから、20時40分に自主避難所を開設することといたしまし
た。
次に、開設の周知に防災行政無線を使用しなかった理由は、に
ついてでありますが、台風の進路予報等により能代市への影響は
大きくないと予想され、必要以上に市民の不安を煽ることがない
よう、防災行政無線は使用しないこととし、市ホームページ、防
災情報メール、テレビ画面のテロップ、SNS等を活用したもの
であります。
次に、自主防災組織や周辺自治会とは情報共有など連携があっ
たのか、についてでありますが、自主避難は、希望者が自主的に
する避難であり、組織的に一定区域の住民を避難させるものでは
ないことから、自主避難所の開設について、自主防災組織や自治
会等への周知は行いませんでした。災害対応においては自主防災
組織や自治会等との連携は欠かせないことから、情報共有が積極
的に図られるよう努めてまいります。
 
次に、当台風を教訓に開設要件や周知方法などの見直しが必要
ではないか、についてでありますが、自主避難所の開設要件は、
災害対策基本法や防災基本計画に定めがなく、各自治体が判断す
ることとなります。
自主避難所の開設に関する基準や周知方法については、今回の
対応を検証するとともに他市の例を参考に、今後調査研究してま
いります。

プロフィール

     

佐藤ともかず【完全無所属】

     

前・能代市議会議員(2014〜2022)。昭和53年(1978年)1月31日 能代市生まれ。44歳。能代市河戸川在住。趣味はNBA観戦(UTAH JAZZ)、読書、温泉、弓道&民謡に興味あり。秋田高専を卒業後、国交省(旧建設省)に勤務。その後IT関連企業を経て大阪より2008年に帰能。地域のIT力向上を目的にweb制作を主軸とした合同会社ゴーゴーウェブマーケットを設立。2016年1月に代表を退き、新たに不登校支援のフリースクール・フレスクを2018年7月に設立。代表を務めたが2019年4月に一般社団法人を設立し代表を退く。現在は家業の通所介護施設「長崎デイハウスふあり」の生活相談員として勤務。視点は常にニュートラル(中道右派)

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