能代市議会一般質問 > 2019年 > 9月定例会

2025年問題における介護人材の確保と定着

※下記のやりとりは議事録から抜粋したものであり議会の公式記録ではありません。

今回の一般質問では近い将来例外なく訪れるであろう介護分野に関わる人材不足に焦点をしぼり質問いたします。大きなテーマとして、わずか6年後である『2025年問題における介護人材の確保と定着』についてお尋ねいたします。
能代市高齢者福祉計画および第7期介護保険事業計画において冒頭でも説明がございますが、団塊の世代が後期高齢者、いわゆる75歳以上となる2025年には、4人に1人が後期高齢者となり日本中の自治体でその対策に頭を抱える時代が到来いたします。
これまで地域を支えてくださった人生の先輩方へ敬意を払うことは当然ではありますが、一方では医療費や介護費など社会保障費の急増も懸念されるほか、団塊ジュニア世代にとっては親の介護を考え始める期間となります。
厚生労働省では、第7期介護保険事業計画に基づく介護人材の必要数について試算しており、2025年度末には全国で約245万人の介護人材の需要が見込まれるとし、現従事者を差し引きした不足人材数が約55万人となり、2016年度から年間約6万人の介護人材の確保が必要とされています。また国としては介護職員の処遇改善や離職防止、定着促進のほか、外国人材の受け入れ環境の整備などにより、総合的に介護人材の確保を行うとしております。他方、地域の実情として、介護人材が不足することによる各介護サービスの受け入れ皿の減少、待機高齢者の増加、家族の介護負担や、それに伴う離職の増加、ひいては地域の他産業における労働力の低下などが懸念され、あらゆる分野に負担が派生してしまう恐れがあります。また介護における有効求人倍率に着目すると過去5年の統計では、ハローワーク能代管内において、2015年6月の有効求人数160人に対し有効求人倍率が1.48倍、2016年6月は有効求人数220人に対し有効求人倍率が2.34倍、2017年6月は有効求人数280人に対し有効求人倍率が3.84倍、2018年6月では有効求人数327人に対し有効求人倍率が4.81倍、2019年6月は有効求人数313人に対し有効求人倍率が4.04倍となっております。このように、有効求人倍率が上昇、高止まりする中においては、今ある制度を十二分に活用し介護人材の確保を丁寧に押し進めていく地道な努力が必要であります。
そこでまずは介護職員の待遇向上のために整備された処遇改善加算の適用促進についてお伺いいたします。当加算は各介護サービス事業所が介護職員のキャリアアップや働きやすい職場環境の整備を行うことで、賃金の改善を行う制度であり、平成23年度までは介護職員処遇改善交付金として支給、その後は加算の1つとして取り扱われているものであります。平成30年度の改正ではそれまでの5区分から加算単位が少ない2区分を廃止し、3区分となる見込みとなっております。上位3区分では加算により月額約37,000円〜15,000円程度の処遇改善が見込まれ、介護職員にとっては生活基盤の充実につながり、介護サービス事業者にとっては職員の定着促進につながる非常に有効な仕組みであります。なお介護サービスの区分により加算率は一律ではなく、一例として訪問介護の処遇改善加算①では13.7%、通所介護の加算①では5.9%、短期入所生活介護の加算①では8.3%となっております。
さらに今年10月からは介護職員等特定処遇改善加算として、さきほどの加算に上乗せした加算制度がスタートいたします。厚生労働省では、経験・技能のある職員に重点化を図りながら、介護職員の更なる処遇改善とし、目安として勤続10年以上のリーダー的職員を年収440万円に近づけようとするものであります。新しい加算では介護職員のみならず看護職員や他の職員への加算配分も認められるため事業所をあげて意欲向上につながる制度と見込まれます。つきましては処遇改善加算の算定を促進し、人材確保や定着に向けて、次の4点についてお尋ねいたします。
ア 市内事業者の各加算区分の適用割合は
イ 特定処遇改善加算の制度周知は十分か
ウ 加算算定の事業所が増加することで地域経済及び行財政へどう影響するか
エ 未算定の事業所に支援を行うべきではないか

佐藤議員の御質問にお答えいたします。初めに、2025年問題における介護人材の確保と定着についてのうち、処遇改善加算の適用促進、市内事業者の各加算区分の適用割合はについてでありますが、介護職員処遇改善加算は、介護サービスに従事する方の賃金改善を目的として創設されたものであり、事業者が雇用管理の改善や賃金体系の整備、職場環境の改善等の状況に応じて、介護報酬に加算できるものであります。
 処遇改善加算の対象となる事業所は、市内に144事業所ありますが、最も要件が厳しく加算額が高い加算Ⅰを取得しているのは、123事業所で、率にして85.4%、次いで加算Ⅱが14事業所9.7%、加算Ⅲが5事業所3.5%、加算Ⅴが2事業所で1.4%であります。
 次に、特定処遇改善加算制度の周知は十分かについてでありますが、来月からこれまでの処遇改善加算に上乗せする形で介護職員等特定処遇改善加算が創設されます。
 制度の周知につきましては、国の方針が示されて以降、随時市内の各事業所に情報を提供しているところであります。また、事業者において組織している能代地域介護サービス事業者懇談会より依頼を受け、制度の基本的な考え方や事務処理手順等について担当者を派遣し、説明しているほか、随時、個別の相談にも応じており、加算取得に向けた助言に努めているところであります。
 次に、加算算定の事業所が増加することで地域経済及び行財政へどう影響するのかについてでありますが、介護職員の生活基盤が充実することによる消費の拡大、雇用の安定や離職率の低下による地域への定住化促進等、さまざまな効果が期待できるものと考えております。
 一方で、加算算定の事業所が増加することにより、介護給付費の増加が見込まれることから、本市の財政負担の増加及び被保険者の介護保険料への影響も想定されます。
 次に、未算定の事業所に支援を行うべきではないかについてでありますが、現在、市内の事業者におきましては、全て処遇改善加算を取得しており、未取得の事業所はありません。今後も引き続き、上位段階の取得に係る相談に応じるなど、事業者への支援に努めてまいりたいと考えております。

順次再質問をさせていただきます。まず、1番のイに当たります特定処遇改善加算制度の周知は十分かということで、先ほどお話しございました。私も先日報道で知ったのですが、任意の介護事業者で構成される団体が説明会を開いたということで伺ったのですが、私、その後開催されました8月7日になるのですけれども、県主催の説明会が秋田市で開かれまして、私もそちらのほうに参加してまいりました。やはりこの新たな加算制度ですが、資料を一読しただけでは大変難しいといいますか、理解しがたいような内容になっておりまして、やはりどの事業所にとりましても、説明会で実際にその事例であったり、よくある質問を伺いながら、理解が深まっていくのかなと、そういった感を受けております。
 そういった中において、秋田市で開かれた説明会のほうにも能代市の事業所のほうが私も何名か、この方も来ているのだなということで感じたところであったのですが、そもそも能代市でその説明会を特定の任意団体だけではなくて、広く実施する必要というのはなかったものでしょうか。

今後の検討だろうと思いますが、これは事業所のほうの意向も聞きまして、そういう必要性があるという判断をしましたらば、能代市でも説明会を開催したいと思います。

ぜひできるだけ早い段階で説明会のほうを実施していただきまして、この制度が各事業所にとりましても、労働者にとりましても、どういった有効性があるのかを各事業所に判断いただきたいと思いますので、そちらについてはぜひとのことで要望を申し上げます。
 続きまして、1番のエのほうに移りたいと思います。未算定の事業所に支援を行うべきではないかという、先ほど未取得なしということでありましたが、先ほどの加算では、加算Ⅱ、加算Ⅲ、加算Ⅴを含めるとこれ21事業所ですか、まだ最も高い加算を受けられていないということで、どういった事情があるのかわからないですが、これはやはり労働者にとっても処遇が改善されることにデメリットがないものでありますから、そういった事業所に対して積極的に支援、あるいは説明を丁寧にしていくというお考えはありますでしょうか。

そういう必要があれば、やぶさかではありませんけれども、ただ、実際、どういう事情で上のほうのランクのところに各事業者が自分たちが申請していかないのかというところはよく理解されていないところもありますので、その辺の実態調査をした上で、必要があればしっかりと指導していきたいと思います。

プロフィール

     

佐藤ともかず【完全無所属】

     

前・能代市議会議員(2014〜2022)。昭和53年(1978年)1月31日 能代市生まれ。44歳。能代市河戸川在住。趣味はNBA観戦(UTAH JAZZ)、読書、温泉、弓道&民謡に興味あり。秋田高専を卒業後、国交省(旧建設省)に勤務。その後IT関連企業を経て大阪より2008年に帰能。地域のIT力向上を目的にweb制作を主軸とした合同会社ゴーゴーウェブマーケットを設立。2016年1月に代表を退き、新たに不登校支援のフリースクール・フレスクを2018年7月に設立。代表を務めたが2019年4月に一般社団法人を設立し代表を退く。現在は家業の通所介護施設「長崎デイハウスふあり」の生活相談員として勤務。視点は常にニュートラル(中道右派)

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