能代市議会一般質問 > 2017年 > 6月定例会

小規模校のあり方について

※下記のやりとりは議事録から抜粋したものであり議会の公式記録ではありません。

 小規模校のあり方について質問いたします。これまでも同僚議員より類似の質疑がございましたが、今回は私なりの視点で改めてお伺いいたします。
 まずは、ことし平成29年2月、能代市小規模小学校の在り方に関する基本方針が策定されました。世帯アンケートや地域懇談会、協議会を経て、能代市の実情や保護者等の考えがしっかりと取りまとめられた内容であると感じております。特に目を引いたのは、平成28年に実施された二ツ井小学校保護者及び二ツ井中学校生徒に対する統合のアンケートで、両結果とも7割を超える方が統合してよかった、と回答しており、統合後のフォローが行き届いた結果が伺えます。
 また、基本方針では「未来ある子どもたちの教育環境を最優先に考えた提言を受けて、将来的にも全児童数が30人以下で続く小規模小学校については、統合を進める」とし、平成27年1月に文科省策定の公立小学校・中学校の適正規模・適正配置等に関する手引にも示されておりますが、法令上の標準的な学校規模として、小・中学校ともに12学級以上18学級以下とされている中で、当市基本方針では相当の弾力性を持たせた熟慮の結果だと認識しております。できる限り学校を存続させたいという当局の御意向もありながら、最低限の教育環境、つまり集団の中で多様な考えを知ることや切磋琢磨により、十分な社会性を身につけさせることが重要であり、そのため一定規模の児童生徒数は確保していきたいという御趣旨だと感じております。
 ただ一点懸念されることは、地域コミュニティーの希薄化であります。学校があればこそ、地域が交流する機会もあり、子供たちの安全を気遣い、周辺住民が地域の役割を分担し、最小単位の自治が機能していくものだと捉えております。その地域交流の機会が失われぬよう、統合が進む場合の対応について、どのように当局で検討なさっているのかをお伺いいたします。
 また、今後は小規模校に対しまして統廃合のみを論ずるのではなく、コミュニティー維持のために、どう学区内の子供を確保あるいはふやしていくかを検討すべきものだと認識しております。差別化のための一例ではございますが、小規模校学区へ転居の際、転居費用に対する補助や家賃補助、あるいは空き家の利活用関連への助成など、コミュニティー維持のための施策は多方面で対応できる余地があるものと想定されます。
 以上の観点から、次の3点についてお尋ねいたします。
 1、小規模校のあり方で望ましい方向性とは何か。
 2、統合により地域コミュニティーの希薄化が懸念されるが、その対応は。
 3、小規模校学区への居住者をふやすため、空き家活用や家賃補助、転居等に支援制度の考えは。

 小規模校のあり方についてのうち、統合により地域コミュニティーの希薄化が懸念されるが、その対応はについてでありますが、学校は地域コミュニティーの中核の一つであり、学校統合によるコミュニティーの希薄化を心配する声が地域にあることは承知しております。
 市といたしましては、統合により地域のつながりが衰退しないよう、自治会活動やまちづくり協議会の活動に対し継続して支援を行うほか、新たなまちづくり協議会の設立の働きかけなど、それぞれの地域の状況を踏まえて対応してまいりたいと考えております。
 また、今年度から地域のリーダーとなる人材を育成することを目的に、地域力向上人づくり事業に取り組んでおり、こうした事業とも連携しながら、地域コミュニティーの維持に努めてまいりたいと考えております。
 次に、小規模校学区への居住者をふやすために、空き家活用や家賃補助、転居等に支援制度の考えはについてでありますが、市内全域で人口減少と少子化が進む中で、子供を確保あるいはふやす目的で、市内の小規模校学区に限定して転居を促すことは難しいものと考えております。
 市では、市全体の人口減少への対策を推進するための能代市まち・ひと・しごと創生総合戦略において、基本目標の一つに移住・定住対策を掲げ、各種施策に取り組んでおります。
 住居に対する支援制度としては、能代山本圏域外から市内へ移住し、空き家を改修した場合は、2分の1以内、上限100万円の助成をしているほか、空き家バンクを開設しており、いずれも市内の空き家の有効活用と移住定住対策の施策として実施しております。これらは、市内全域を対象とした制度でありますので、小規模校学区においても積極的に活用していただきたいと考えております。

 佐藤議員の御質問にお答えいたします。初めに、小規模校のあり方についてのうち、小規模校のあり方で望ましい方向性とは何かについてでありますが、平成27年1月に文部科学省から出された公立小学校・中学校の適正規模・適正配置等に関する手引において、児童生徒が集団の中で多様な考えに触れ、切磋琢磨して能力を伸ばすためには、一定の集団規模が確保されていることが望ましいということが示されています。
 本市においては、小規模小学校の今後のあり方を探るため、27年度に該当校の全世帯に地域アンケートを実施したところ、統合を望む声が半数を超えておりました。また、28年度には小規模小学校の在り方協議会から、未来ある子供たちの教育環境を最優先に考え、統合の方向で検討すべきであるとの提言をいただきました。
 これをもとに教育委員会では、子供たちが適正規模の集団の中で多様な考えに触れ、切磋琢磨できる教育環境を整備することが望ましいと考え、統合を進める基本方針を策定いたしました。その後の地域懇談会では、統合や現状維持の御意見のほか、地域コミュニティーの希薄化を心配する声がありました。
 今後は、7月に各地区で地域懇談会を開催し、保護者や地域の皆様と、これまで学校と地域が連携して進めてきた交流活動等について確認しながら、統合の際には地域コミュニティーにも配慮してまいりたいと考えております。
 次に、多子世帯に対する支援拡充についてのうち、給食費や校外活動費等への補助制度の考えはについてでありますが、市の総合戦略の中でも、少子化対策において子育て世帯の経済的負担軽減は重要な柱の一つとなっております。
 本市の就学に係る費用への補助施策につきましては、就学援助制度、奨学金貸付事業及びふるさと人材育成・定住促進奨学金貸付事業、能代市奨学金返還助成金交付事業等がありますが、多子世帯に特化した支援は行っておりません。給食費や校外活動費等への補助制度については、先ほどの市長答弁にもございましたとおり、少子化対策に有効な支援策を検討していく中で、既に実施している自治体の取り組みも参考にしながら、今後研究してまいりたいと考えております。以上であります。

 小規模学校区への居住者をふやすため空き家活用や家賃補助、転居等に支援制度の考えはのうち、私先日とある小学校の運動会に参加してまいりました。その小学校の運動会で感じたことが、極端な話かもしれませんが、子供の数を上回りそうな保護者の数に大変驚いたわけです。どの家庭の保護者も、子供たちと一緒に楽しもうという気持ちが全面にあらわれておりまして、これは地域にとって非常に有効なコミュニティーの場であるなと感じました。都会ではないこの地におきまして、そういった関係性の希薄化というのは、やはり有事の際に命にかかわるような場合も懸念されると思います。教育環境の維持という側面のみならず、当局関連部署の横の連携を持ちまして、まずはその小規模校とならぬよう対策が大前提で必要ではないでしょうか。当局の考えをお伺いいたします。

 実際そうだと思います。今お話のありましたとおり、例えば幼稚園の運動会でも小学校の運動会でも行けば、お父さん、お母さんが来て、お父さん、お母さんのおじいさん、おばあさん両方来ると6人も来るということですから、保護者のほうが多いという、そういう現実ですね。確かにそういうことが地域の活性化にもつながっていくと思います。
 ただ、先ほど来申し上げておるのは、地域コミュニティーを維持していくことは大変大事なことだ、でも一つの手段として、そこに小規模校の学区内だけのための制度というのはなかなか難しいのではないか。やはり、町全体の中でそういう対策をとったことについて、同じように共有して、それぞれの地域の中でそれを生かしながら、全体として少しでも人がふえていく、そういうような制度をつくっていく必要があるのではないかという意味で答弁させていただいております。

 確かに、その小規模に限った形での支援というのはなかなか難しいかもしれません。ただ、極端に言えば、そうしますとその小学校の人気といったら語弊がありますが、特定の小学校に児童が集中して、最終的にはその1校、2校だけになってしまうのが、果たしてこの能代にとっていい影響を与えるものでしょうか。私は、ある程度のバランスのとれた人数が分散し、複数の学校があるからこそ、学校単位の切磋琢磨が実現するのではないかと思っております。その点についての当局のお考えはいかがでしょうか。

 教育長からも御意見あるかもしれませんが、そういう考え方もあるかもしれませんが、では現実に我々のところで考えれば二ツ井地域、全部小中学校1校になってしまっています。でも、先ほどの答弁の中にもあったように、統合してよかったという声が7割あったことがとてもすばらしかったということ、答弁ではないです、質問の中にあったように、それはやっぱりいい面もあれば悪い面もあると思いますが、やはりそういう中で、では統合校にするか、しないかという一つの以前に、その地域の学校が維持できるような形態になっていくかどうかのところで、少し援助したらどうかという御質問だと思うのですが、私はやはりそれぞれの学校が個別にそういう援助を求めるのではなくして、全体の制度の中で、その制度の中でもって自分たちにどういったことがやれるのかということを考えることが大事なことではないのかなというふうに考えております。もし意見あれば、教育長。

 教育長(須藤幸紀君) 佐藤議員の再質問にお答えいたします。やはり、議員がおっしゃるとおり、ある程度の規模を持った学校が分散しながら切磋琢磨していくことが理想ではないかなと思っておりますけれども、都市部に偏りつつありますので、そういう面をどう解消していったら能代市としていいのか、これからも考えていかなければならないなと思っています。以上です。

 ありがとうございました。小規模校のあり方というのは、非常に神経質で難しい問題だと思います。今後も保護者の御意見も吸い上げながら、丁寧に能代市としてどういった方向性が望ましいのか、常に検証、改善を進めながら進んでいただければと思います。

プロフィール

     

佐藤ともかず【完全無所属】

     

前・能代市議会議員(2014〜2022)。昭和53年(1978年)1月31日 能代市生まれ。44歳。能代市河戸川在住。趣味はNBA観戦(UTAH JAZZ)、読書、温泉、弓道&民謡に興味あり。秋田高専を卒業後、国交省(旧建設省)に勤務。その後IT関連企業を経て大阪より2008年に帰能。地域のIT力向上を目的にweb制作を主軸とした合同会社ゴーゴーウェブマーケットを設立。2016年1月に代表を退き、新たに不登校支援のフリースクール・フレスクを2018年7月に設立。代表を務めたが2019年4月に一般社団法人を設立し代表を退く。現在は家業の通所介護施設「長崎デイハウスふあり」の生活相談員として勤務。視点は常にニュートラル(中道右派)

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