能代市議会一般質問 > 2016年 > 9月定例会

企業の寄附金控除を活用した新しい公民連携モデルについて

※下記のやりとりは議事録から抜粋したものであり議会の公式記録ではありません。

現在、当市においては、所有する公共施設等の管理を計画する公共施設等総合管理計画策定に向け準備が進んでおりますが、今後は施設の経年劣化や老朽化、地域の実情やニーズに応えた形での廃止や修繕または建てかえ等判断がなされてくるものと考えられます。そのうち、特に建てかえに関しては財源の確保等潤沢な予算があるわけではない中、非常に悩ましい問題の一つでもあります。当市の自主財源は、予算ベースで平成23年度から約77億円から84億円の範囲で、全体予算の約27.5%から29.8%内を上下しており、今後もこの幅が大きく上下に振れることは予想しにくく、新たな財源確保を模索する必要もあります。
 次に御紹介する事例は、地元企業を巻き込んだ財源確保のスキームで吹田市での取り組みでありますが、プロサッカーチームのサッカー場建設に伴う公民連携モデルであります。
 まずは、2010年に建設費用捻出のために任意の募金団体が設立されました。実際の募金は2012年から始まりました。国税庁と交渉をし、個人からの寄附にはふるさと納税制度を活用し寄附金控除を受けられるように、また法人からの寄附についても損金算入となるよう、国等に対する寄附金の枠組みを活用したようです。ここで活用された国等に対する寄附金の条項には、「その目的である施設が完成後遅滞なく国等に帰属されることが明らかなものは、これに該当する」とあり、吹田市の協力体制も後押しとなり、寄附金として認められたようです。寄附は法人から約99億5000万円、個人から約6億2000万円を集めたほか、吹田市が申請を行った助成金からは、スポーツ振興くじ助成や国交省の住宅・建築物省CO2先導事業等を活用し約35億1000万円、合計約140億8000万円を集めることができたとのことです。
 その後、建設は募金団体が行い、竣工日に吹田市へ寄附。その後、指定管理者として市が地元プロサッカーチームを選定し、運営管理を行うという流れのようです。この際、吹田市から指定管理者への委託料はなく、指定管理者は運営や管理を利用料金等から捻出する契約を締結されたとのことです。つまり、この一連の流れでは、寄附金控除等の制度活用や助成金申請には行政がかかわり、その後の運営は民間が責任を持って行うという図式が成り立っており、今後の公共施設のあり方を模索する上では大変有益な事例であります。これら事例も踏まえ、当市においても地元企業との連携した公共施設建設を検討できないかお伺いいたします。
 また、2つ目の質問として、既にスタートしている企業版ふるさと納税、いわゆる地方創生応援税制についてお伺いいたします。まずは、企業版ふるさと納税とは、個人のふるさと納税制度とは違い寄附の見返りとなる便宜供与は禁止されておりますが、寄附金のうち6割を損金算入できるなど税制上のメリットも大きく、今後期待される制度でもあります。ただし、寄附を受け付けるには地域再生計画認定申請が必要であり、申請には地方版総合戦略に位置づけられた事業であることのほか、複数の条件もございます。8月2日現在では、既に全国から6県81市町村の計102事業の総額323億円分が内閣府から認定を受け、今後は11月と来年3月にも追加認定を予定しているようです。
 秋田県では、大館市が「ペットと泊まれる宿泊施設整備事業」、湯沢市が「地熱水を活用した高収益園芸作物の実証事業」、仙北市「桜に彩られたまちづくり計画」、美郷町「“生薬の里 美郷”構想推進事業」、「“美郷で定住”促進プロジェクト」の2事業、そのほか秋田県が現在申請中で「白神山地保全推進事業」が予定されております。多くの市外企業の善意が利用しやすく、地域に還元されるよう早期実現を求め、2、企業版ふるさと納税制度の活用は、についてお伺いいたします。

企業の寄附金控除を活用した新しい公民連携モデルについてのうち、国等に対する寄附金による地元企業と連携した公共施設建設をについてでありますが、例示された吹田市のサッカースタジアムは、地元企業等からの寄附金、ふるさと納税、民間団体の助成金のほか、国の事業等を財源として建設され、民間企業が利用料金等の収入のみで管理運営する手法がとられており、公民連携の有効事例と考えられます。しかし、一方で自治体の人口規模や寄附を行う事業所の規模、経済情勢と、それぞれの地域を取り巻く環境により有効性が異なり、取り組み内容も違ってくると考えられます。本市の場合、施設整備に当たっては基本的に国等の補助金の確保や財源補填のある起債の活用等、できる限り有利な財源を活用してきております。例示の吹田市とは人口規模等地域環境が異なることから、同様の手法は困難だと思われますが、今後の施設整備の手法の一つとして参考にしたいと考えております。
 次に、企業版ふるさと納税制度の活用はについてでありますが、企業版ふるさと納税は、地方公共団体が総合戦略に基づき実施する事業に対し、当該地域外に本社のある企業が寄附を行った場合、従来の損金算入措置による約3割の税の軽減効果に加え、さらに約3割の法人住民税等の税額控除が受けられる制度となっております。対象となる事業は、地方公共団体が地域再生法に基づく地域再生計画を作成し国の認定を受けること、申請時に1社以上の寄附の見込みが立っていること、原則として寄附を充てるものとして新たに企画立案された事業であること等の要件があります。
 この企業版ふるさと納税は、制度が始まって間もないほか、個人が行うふるさと納税制度とは異なり、寄附金の約4割は企業の負担になること、代償を受け取ることが禁止されていること等、企業に直接的な経済的利益がないこともあり、取り組みは一部にとどまっている状況にあります。
 本市においては、現時点で具体的な寄附の見込みがないなど、要件を満たすことができないため申請はできませんが、財源確保の手法の一つとして、先行事例を参考としながら本制度の活用について検討してまいりたいと考えております。

企業版ふるさと納税についてですが、こちらおっしゃるとおり非常に条件が厳しく、なかなか申請が難しいのではないかなと私も感じておりました。ただ、当市の総合戦略には、当市ならではの事業といたしまして、水素関連のシンポジウムを開こうだとか、研究を進めていこうだとか、そういったこの地方創生応援税制に非常にマッチしたようなプログラムもあるのではないかなと考えております。ただ、この要件、非常に難しいなと思う点が1点、それは市外からの寄附をしていただける企業を見つけなければいけない、見込みがある企業を見つけなければいけないということで、なかなかハードルは高いかとは思います。
 ただ、財源が潤沢にあるわけではない中、さまざまな手法あるいはこういった制度を活用してどんどん歳入をふやしていくべきだと思いますし、いま一度、今後その企業版ふるさと納税に対して制度を活用していかれるのかどうか、市長の御意向をお伺いいたします。

企業版ふるさと納税について、議員も大変難しいのはわかった上での質問なのですけれども、私自身は、こういう言い方すると怒られるかもしれませんが、例えば能代以外に本社を持っている会社が、能代市さん、例えばいろいろなことでいつもお世話になっているから、自分のところの会社に直接的利益はなくても、大変縁もあるしお世話になっているから100万円寄附したいですねと、こうなったときに、ではその100万円の寄附に対してこれを活用すれば、我々が新たな事業として水素でも何でもいいのですけれども、再生可能エネルギーでも子育てでもいいのです。そういう事業を新たにつくって、では100万円寄附するというのを、これを使っていただきたいということになれば、負担は40万円になりますから、では200万円寄附して80万円という、いわゆる一般のふるさと納税と同じような利益を得ることができると、こういう言葉を使うといけないのかもしれませんけれども、企業側にもそういうプラスということが起こってくる可能性はあることは事実だと思います。ですから、財源の厳しい中で企業版であろうとそれから一般の人たちのであろうと、ふるさと納税の中でやはり少しでも財源確保につながることがあれば、我々としては積極的に取り組んでいきたいと考えております。ただ、非常に今の段階では、我々のほうから企業に向かってこういう制度がありますから来てくださいという中で、この事業がお宅の会社に合いますのでいかがですかというような営業とかセールスというのは、なかなか難しいかなというふうには考えております。以上であります。

プロフィール

     

佐藤ともかず【完全無所属】

     

前・能代市議会議員(2014〜2022)。昭和53年(1978年)1月31日 能代市生まれ。44歳。能代市河戸川在住。趣味はNBA観戦(UTAH JAZZ)、読書、温泉、弓道&民謡に興味あり。秋田高専を卒業後、国交省(旧建設省)に勤務。その後IT関連企業を経て大阪より2008年に帰能。地域のIT力向上を目的にweb制作を主軸とした合同会社ゴーゴーウェブマーケットを設立。2016年1月に代表を退き、新たに不登校支援のフリースクール・フレスクを2018年7月に設立。代表を務めたが2019年4月に一般社団法人を設立し代表を退く。現在は家業の通所介護施設「長崎デイハウスふあり」の生活相談員として勤務。視点は常にニュートラル(中道右派)

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