能代市議会一般質問 > 2015年 > 12月定例会

遺跡の発掘調査等について

※下記のやりとりは議事録から抜粋したものであり議会の公式記録ではありません。

遺跡の発掘調査等についてお伺いいたします。10月10日に行われました能代市教育委員会主催のふるさと学習交流会ですが、市内各小学校区の発表や地名・特産品を探る演劇がとり行われまして、子供たちの発表を通してますます自分たちのふるさとに興味を持つことができました。中でも、向能代地区は遺跡が多いとの報告もあり、話には聞いていたのですが、改めて秋田県教育庁生涯学習課文化財保護室が運営する秋田県遺跡地図情報の公式サイトを拝見いたしました。すると、遺跡箇所は数件といった話ではなく、正確な数字は把握してはおりませんが、ざっと見たところでも100カ所ほどはありそうな印象を受けました。サイト内にある地図で集中している位置を確認したところでは、主に相染森や竹生、比八田、真壁地、朴瀬、久喜沢、駒形、切石等の高台に多く、米代川流域かつ海岸が近かったために、太古より比較的住環境のすぐれた地域だったことが伺えます。また、お隣青森県では、三内丸山遺跡が国特別史跡として指定され、交流人口や郷土教育に大きく寄与しているところでもございます。このような事例も踏まえ、当市においても多くの遺物が出土されているとは思いますが、関連して次の事項についてお伺いいたします。
 1、出土した遺物の保管または展示状況は。
 2、郷土教育にどう生かすか。
 また、もう1点質問の前に、先日、自分の所有する土地より遺物が出土し、土地を活用する際には自己負担で発掘調査を行わなければならないのかという御相談を私のほうに受けました。これらに関しまして、3、原因者が個人による発掘調査において、費用負担軽減の補助制度新設の考えはあるのか。
 以上3点についてお尋ねし、通告に基づき第1質問を終わります。御答弁をよろしくお願い申し上げます。

遺跡の発掘調査等についてのうち、出土した遺物の保管または展示状況はについてでありますが、市内には300カ所の遺跡があり発掘調査で出土した遺物は、調査報告書に記載された後、基本的に調査担当機関が保管することになります。これまで、市が実施した発掘調査で出土したり、個人から寄贈を受けた遺物は約9万リットルに上り、そのほとんどは旧富根小学校に保管しております。これら遺物の一部は、能代市二ツ井町歴史資料館等の常設展示や企画展示のほか、二ツ井中学校では埋蔵文化財展示室内に展示し、活用しております。
 次に、郷土教育にどう生かすかについてでありますが、杉沢台遺跡や柏子所貝塚等の遺跡については、既に社会科副読本である、小学校は「わたしたちの能代市」、中学校は「中学社会 能代市」の中に掲載されており、市内全ての小中学校で活用されております。また、遺跡や遺物等を活用した授業事例については、鶴形小学校では縄文時代を学ぶ際、校内の歴史室の上の山遺跡から出土された石器や土器等の実物を手にし、児童が歴史への興味、関心を高めております。また、東雲中学校では、総合的な学習の時間に、地域を知るというテーマで東雲地区の杉沢台遺跡を訪ね、市の担当者から説明を受けるなど、実感を伴う授業に努めております。教育委員会といたしましては、今後も社会科副読本の掲載資料等についての見直しや、必要に応じて画像データを学校に提供するなど、能代市の遺跡を郷土教育の中に位置づけてまいりたいと考えております。
 次に、原因者が個人による発掘調査において、費用負担軽減の補助制度新設の考えはについてでありますが、遺跡は地域の歴史と文化に根ざした歴史的遺産であることから、文化財保護法により保護されております。遺跡内での発掘事業等により、開発事業等により破壊されるおそれが生じた場合、発掘調査を実施して遺跡の記録を保存することとなり、その原因となった事業者は調査費用を負担することになっております。遺跡の調査は長期にわたることもあり、多額の経費がかかることから、事業主が個人または零細業者の場合は、市が国庫補助を得て調査費用を全額負担する制度がありますので、御相談いただきたいと考えております。以上であります。

郷土教育にどう生かすかの分野についてお聞きいたします。先ほど柏子所の例がありましたけれども、実は私も中学校のころ、能代市を学ぶ何かの教科書の中に、近くで柏子所で遺物が発掘されたという記載を見かけまして、中学生でしたので、すぐ友達とその現場まで駆けつけました。柏子所の貝塚は、今はちょっとわからないのですが、当時金網で囲っておりまして、せっかく来たのに何か遺跡を発掘できるような環境ではなかったのが、当時は非常に残念だったのですが、今思い返しますと、あの柏子所貝塚の遺跡の場所はやや緩やかな傾斜になっておりますので、あれは当然の大人の対応をしていただいたのだなとも、今となっては感謝しているところであります。やはり、この遺跡の分野というのは特に、そこに差別するわけではないですけれども、男子の学生や生徒にとっては非常にロマンがあり、夢があり、地域を学ぶ大切なきっかけの一つでもあると思います。ぜひ今後も、先ほど鶴形小や東雲中学校で遺跡を絡めた郷土教育をされているということでしたが、ぜひ全小学校、全中学校でこの遺跡を絡めた何か郷土教育を取り込めないものか、取り組んでいけないものか、今現在のお考えをお聞かせください。

佐藤議員の郷土教育についての再質問にお答えいたします。先ほど、東雲中学校と鶴形小学校の事例に触れましたけれども、遺跡や土器などの実物を使ったり、画像を使ったり、社会の副読本を使って郷土教育を行っているのは19校中11校でありますので、特に小学校では12校中6校が、社会科や総合的な学習の時間に実物や画像等を使った学習を行っております。特に、先ほどもありましたけれども、向能代小や竹生小学校、崇徳小学校では、地域の方々から話を聞いたり、実物の土器を用いたり、実際に見学したりして学習しております。中学校では、7校中5校が同じように学習しておりますけれども、残りの学校についても、呼びかけていきたいなと思っておりますので、よろしくお願いします。

プロフィール

     

佐藤ともかず【完全無所属】

     

前・能代市議会議員(2014〜2022)。昭和53年(1978年)1月31日 能代市生まれ。44歳。能代市河戸川在住。趣味はNBA観戦(UTAH JAZZ)、読書、温泉、弓道&民謡に興味あり。秋田高専を卒業後、国交省(旧建設省)に勤務。その後IT関連企業を経て大阪より2008年に帰能。地域のIT力向上を目的にweb制作を主軸とした合同会社ゴーゴーウェブマーケットを設立。2016年1月に代表を退き、新たに不登校支援のフリースクール・フレスクを2018年7月に設立。代表を務めたが2019年4月に一般社団法人を設立し代表を退く。現在は家業の通所介護施設「長崎デイハウスふあり」の生活相談員として勤務。視点は常にニュートラル(中道右派)

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