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9/27(水)。能代市議会9月定例会最終日。イオン関連予算の賛成理由について

  • 2017年9月27日 水曜日

9/27(水)。能代市議会9月定例会最終日。

さきほど閉会となりましたが、今回イオン進出に伴う配水管移設のための設計業務が上程され審議となりました。私個人は『賛成』いたしました。
以下のものを討論で発言予定でしたが、反対討論がルール上できなかったため、それに伴い賛成のみの討論が出来なくなり、やむを得ずこちらで公開いたします。
 
私の支持者でもイオン賛成派、反対派さまざまおられるかと思いますが、私の今の判断を御覧くださいませ。
 
===以下、賛成理由===

議案第69号、平成29年度能代市水道事業会計補正予算につきまして、賛成の立場で討論させていただきます。
本補正予算は(仮称)イオン新能代ショッピングセンター建設に起因する国道7号線の道路拡幅に伴う配水管移設に係る収入および支出の計上でありますが、市から提出された各資料などを踏まえ、以下の5点を理由とし賛成の立場とするものであります。
1点目の理由として、『社会動態への波及効果の期待』であります。ご承知の通り本市では、人口減少が進んでおります。能代市人口ビジョンによると、H17年度の生産年齢人口36,987人に対し、H27年度には30,653人と、ここ10年で6,334人もの労働力の流出が進んでおります。
これに歯止めをかけるための特効薬はなく、対象年齢者への中長期に渡る丁寧なフォローアップや、時には少子化対策へ大胆な予算措置が求められる段階にあります。
 
また社会減による本市への影響は多方面で表面化しており、労働者不足による機会損失のほか、地域コミュニティの希薄化、小規模校の増加、地域経済への悪影響のほか、限界集落の進行や、伝統文化の衰退など、そのインパクトは計り知れません。
このような状況の中で、このたび、イオン側から示された雇用計画では、本社配属の社員が80人とされ、仮に単身のみならず、ご家族での転入も含まれた場合、示された数値以上の転入者の増加が期待できるものであります。またパートにおいても、示された充分な雇用人数から推測するに、本市から転出する必要がなくなる方もいらっしゃるかもしれません。ひいてはイオンが10年前に進出しなかったことにより、本来であればこの地で働き、結婚や出産、通学してたであろう方々を失ってしまっているのかもしれません。このような現状を鑑みても、転入者増加による社会動態への波及効果は一つの大きなメリットと捉えられます。
 
2点目の理由として、世帯収入の増収への期待であります。先の理由でも取り上げましたが、イオン側より示された680人のパート雇用計画においては、これにより地域における世帯収入の増加が期待され、少子化対策の一助に成り得るというものであります。少子化対策に特化した事業を展開する一般財団法人ワンモアベイビー応援団によるH29年の調査結果を拝見しますと、『働く女性の87.4%が、制度と企業風土が整えば、働き続けたい』として、出産後の労働意欲が感じられるほか、『持ちたい理想の子どもの人数』については、2人以上と答えた方が79.7%にも達しているとのことです。さらには『2人目の壁』を感じる原因として、心理的、年齢的な理由も上位にのぼってはおりますが、それらに大差をつけ、「経済的な理由」が最多の86.3%となっております。これら統計からも、2人以上の子どもを望むものの経済的な負担増が足かせとなって、二の足を踏んでいるご家庭が多く、早急に、出産後も続けて働ける労働環境の整備や、幼児の預かり先の確保に加え、世帯収入の増加が望まれるところであります。本市においてもフルタイムでの勤務ではなく、短時間の労働を望むご家庭もあり、それに応える、より多様な雇用環境が生み出せることは本市にとっても大いにプラスに働くことと考えます。
 
3点目の理由として、地元経済への転換期を生み出すことへの期待であります。
先月21日に開かれました(仮称)イオン新能代ショッピングセンター計画(案)に係る影響予測についての全員協議会でも質問いたしましたが、パート雇用680人の計画に対し、H29年6月現在の求人求職者バランスシートでは、関連する分野の有効求職者数は、常用一般および常用パートをあわせ、「販売・営業」が101人、「調理の職業」45人、「接客」が24人と3つの分野をあわせても170人ほどにしかなりません。これら現況からも現実的には、他地域からの労働者確保や、他分野からの転職、現従事者のヘッドハンティングなどが想定されます。この場合、地域の雇用に及ぼす影響として、労働力確保のための賃金上昇や福利厚生の充実などが考えられますが、従来の経営方針、営業形態のままでは企業の存立にも影響するのではないかと想像いたします。ゆえに雇用へ直接影響する分野の企業のみならず、本市内さまざまな企業において、雇用環境の見直しや従事者に対しての接し方、さらには方針など経営に対するあらゆる大転換を迫られる可能性が出てまいります。このような変化の対応を良しとすべきかどうかでありますが、私は地元企業がこうした変化に対応できる能力を身につけるという点においては、よいきっかけだと捉えております。
 
ご承知の通り経済を取り巻く環境は日進月歩の変化を見せており、経済産業省による「平成28年度我が国経済社会の情報化・サービス化に係る基盤整備」によると、平成28年の日本国内のBtoCにおけるEC市場規模は、15.1兆円と前年比9.9%増まで拡大しており、そのうちスマートフォン経由の流通は31.9%にのぼるなど、その勢いには陰りが見えません。これほどまでに流通の多様化が進む昨今において、環境の変化やお客様のニーズに対応していくことは経営者としては当然の思考であり責務であります。労働者不足の時代において、如何に従事者とお客様から信頼を勝ち取り事業を継続できるかは経営陣の見せ所ではないでしょうか。わたしが敬愛する土光敏夫氏のことばにも大変重く力強いメッセージがございます。『会社で働くなら知恵を出せ。知恵のない者は汗を出せ。汗も出ない者は静かに去っていけ。』 厳しさの中にも、本質をついた言葉と受け止めております。
 
4点目の理由として、中心市街地活性化への積極的関与の期待であります。
現在本市においては、いわゆるまちづくり三法の適用外となり、中心市街地活性化基本計画が認定されず、関連する支援策が受けられない状況にあります。ただし、まちづくり三法が適用されるか否かに関わらず、中心市街地活性化に必要と思われる事業について、この10年で、旧金勇活用事業や能代逸品会など様々な事業が予算化され執行されてきました。
ただひとつ、残念でならないことが、10年前に出店していた場合、その新たな税収を財源に、さらなる中心市街地への投資が行われていたかもしれないということであります。H19年に示されたシミュレーションでは、年間約9800万〜1億100万円程度の税収見込みとし、そのうち仮に半分でも中心市街地の事業や環境整備に投資されていたことを考えると、その損失は少なくはなさそうであります。
しかしながら今後を考えますと、市では出店に伴う利潤の再分配ということを今後検討したいという旨の意向を示しております。こうしたことを踏まえれば、新たな税収による財源の活用に、中心市街地への予算計上が期待されることを加味し、必要以上に悲観的になるものでもないのかもしれません。全国的には中心市街地活性化基本計画に基づき認定を受け関係省庁から支援をいただいたものの、結果、計画当初には及ばない状況から赤字が続き、経営に行き詰まり、破綻を防ぐために、運営会社の債権の一部を自治体が買い取るなど、いわば大失敗といわざるを得ない状況となっている自治体も各地で見られます。財源や予算も大切ではありますが、市民の意識変革こそが、まちづくりに最も重要な要素ではないのでしょうか。
 
5点目の理由として、過去三度における市長選結果によるものであります。
市民の意思を示す手段のひとつとして能代市長選挙がありますが、過去イオン進出容認の是非を争点とした市長選が平成18年4月に執行されました。また平成22年4月18日の選挙においては無投票という結果に、続く平成26年4月20日には一騎打ちの選挙となりました。いずれの結果においても容認を示してきた斎藤市長が当選を続けたという意味では、その結果を軽んじて扱うべきではなく、民主主義の大原則として、最も尊重されるべく市民の重い意思であると信じております。
 
以上5点について賛成の立場から申し上げました。
こうしたことを踏まえ、来年度配水管移設工事を実施するためには、今年度中に実施設計を行う必要があることから、本予算については妥当であり、賛成するものであります。
 
先日、県南にある同グループのモールを訪れる機会がございました。店内は家族連れ多く笑顔があふれ、活気に満ち、その地域の若々しさを肌で感じえたところでもありました。
今回はどのような結果であれ、オール能代でこの地域を盛り立てていかなければならないことは至極当然であり、今回以上の課題である、出生数の低迷、労働者不足、世帯収入の増加など目をそむけられない喫緊の難題が山積しております。よりよい社会を築くために私自身も今一層精進することをお誓い申し上げ討論を終了いたします。

===ここまで===

プロフィール

     

佐藤ともかず【完全無所属】

     

前・能代市議会議員(2014〜2022)。昭和53年(1978年)1月31日 能代市生まれ。44歳。能代市河戸川在住。趣味はNBA観戦(UTAH JAZZ)、読書、温泉、弓道&民謡に興味あり。秋田高専を卒業後、国交省(旧建設省)に勤務。その後IT関連企業を経て大阪より2008年に帰能。地域のIT力向上を目的にweb制作を主軸とした合同会社ゴーゴーウェブマーケットを設立。2016年1月に代表を退き、新たに不登校支援のフリースクール・フレスクを2018年7月に設立。代表を務めたが2019年4月に一般社団法人を設立し代表を退く。現在は家業の通所介護施設「長崎デイハウスふあり」の生活相談員として勤務。視点は常にニュートラル(中道右派)

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